てんかん症例検討会が開催されました
9月16日にすずかけクリニックに於いて、てんかん症例検討会が開催されました。患者様のプライバシーを考慮し、個人情報に関する内容は若干変更してあります。
症例1:急に倒れ、数分間全身がガクガクと震える発作を毎日繰り返していた方の症例です。てんかん発作なのかPNESなのかが検討されました。ガクガク震えるものが1分以上継続するのは、ミオクローヌスではなく間代発作であり、間代発作ならば意識消失を伴うはずである。このケースは全身が震えているのを本人が覚えている事からてんかん発作ではなくPNESだろう、という結論に至りました。また、PNESの診断には①possible、②probable、③clinically established、④documentedの4段階があり、今回のケースはpossible(発作の目撃者あるいは本人の陳述のみによる診断)である事、各段階の詳細についての説明もありました。
症例2:一点凝視、動作停止、口部自動症を認める発作を10年間以上放置していた高齢の方の症例です。若い頃に発作の出現があり、てんかんの発症時期がいつなのかが検討されました。若い頃の発作は急性症候性発作であり、発症は60代だろう、またてんかんの分類は脳波所見、症状から側頭葉てんかんでいいだろうとの結論に至りました。
症例3:数年前からGTCを3~4回/年認める方の症例です。PEかIGEかを判断するために、CPSの有無が検討されました。1回だけ言語障害を1時間程認めており、これはCPSである可能性が高く、PEであろうとの結論でまとまりました。また、本人の優位半球が左であり言語障害が起きたこと、発作動画では右側に強く痙攣している事、などから左側頭葉てんかんと診断されました。
症例4:10年以上前からてんかんと診断されている方の症例です。発作動画、発作時脳波、病歴からてんかんの可能性は否定されました。PNESである可能性も低く、ジストニアとの鑑別診断が必要であること、今後の本人への支援について意見が交換されました。
次回のてんかん症例検討会は10月21日(水)、すずかけクリニックにて開催予定です。