11月11日に成人のためのてんかん診療フォーラムが開催されました。
開催場所:エーザイ名古屋コミュニケーションオフィス
1題 てんかんと頭痛
講師:愛知医科大学 神経内科 特任教授 丹羽淳一先生
若い世代において、てんかんを持つ人が片頭痛に罹患しやすく、逆もまた同様であり
相互に影響しあうことがある。非常に稀な症例ついてのお話は非常に勉強になりました。
頭痛には多くの原因があり、頭痛があるからと言っててんかんとは言えませんが、
症状として注意深く診る事が大切、つまり患者さんからの些細な症状も逃さず聞くということが大切だと思いました。
2題 てんかん病型診断のピットフォール
講師:東北大学大学院医学系研究科 てんかん学分野 准教授 神一敬先生
てんかんの病型診断の初見の誤りから、病型を修正し治療ができたケースについてクイズ形式も取り入れて発表されました。
非常にわかりやすく、てんかん病型の診断がいかに適切な治療に必要か改めて認識できた発表でした。
判断が難しい症例はいくつもあります。発作前、発作時、発作後の症状については正確な情報が大切だということでした。
出来る限り早めの適切な治療を取るためにも、些細な症状も含めて遠慮なくお伝えください。
開催について、冒頭の挨拶から1題の途中まで音声の不具合があり、大変申し訳ありませんでした。1題の要旨を以下の通りですので、ぜひご確認ください。
「てんかんと頭痛」 演者:愛知医科大学神経内科 特任教授 丹羽淳一先生
てんかんと片頭痛は双方向で罹患リスクが上昇する共存症であり、頭痛は重大な疾患負荷になりうるため、てんかん患者における頭痛の正確な診断と治療が必要である。国際頭痛分類第3版では、てんかん発作に伴う二次性頭痛は「てんかん発作時頭痛」と「てんかん発作後頭痛」に分類されている。
「片頭痛前兆により誘発される痙攣発作」はてんかん発作に先行して頭痛を生じる稀な病態であり、migralepsyと呼ばれてきた概念に相当するが、後頭葉てんかんとの鑑別が必要である。てんかんと頭痛の病態生理学的な関連は複雑であり十分に解明されていない点が多いため、基礎研究と臨床研究の両面でてんかん学と頭痛学のコラボレーションが必要である。